スタートアップ・起業支援

先端技術を活用した研究開発の事業化を目指して

お話ししてくれた方:久田 雅之さん(代表取締役所長)

会社名株式会社 会津コンピュータサイエンス研究所
代表者久田 雅之
業種ソフトウェア開発
事業概要ブロックチェーン、AI分野における研究開発など。
「世にない新たな知識・技術を創出することで社会の役に立ち⼈々を幸せにすること」が会社の理念。
設立2019年4月
所在地福島県会津若松市
企業サイト http://www.aizucsl.com/
UBICの支援
会津大学発ベンチャーの称号付与
UBIC研究開発室・ブース型オフィスの利用
先端ICTラボのプロジェクトルームの利用
先端ICTラボのリソースの利用
会津大学の住所を法人登記の住所として利用
起業相談
特許相談
その他:共同研究、知財共同出願(特許取得)

創業のきっかけ

初代学長の思いを胸に、
会津で上場企業を目指す

私は会津大学の1期生です。学生時代に触れた会津大学初代学長の國井利泰先生の「会津にシリコンバレーを作る。地元の人が願う上場企業を作る」という言葉が忘れられず、会社員や大学教員を経て2007年に株式会社会津ラボを設立しました。会津ラボは「会津大学発ベンチャー第1号」にも選ばれ、クラウドを活用したシステム開発を中心に事業を拡大。2014年には東証一部上場企業に全株式を譲渡し、イグジットを果たすことができました。そして2019年に私自身2度目の起業として、より高度な先端技術を活用した研究開発を会津大学と共同で進め事業化することを目指し、株式会社会津コンピュータサイエンス研究所を設立しました。

創業時に工夫したこと、大変だったこと

強烈な逆境のなかにも
ビジネスチャンスが

2度目の起業からすぐに新型コロナウイルス感染症の大流行に直面したことで、事業活動は事実上停止せざるを得ませんでした。資金・人材の確保が困難となり、事業計画を大幅に変更。当初予定していた研究も思うように進められなくなりました。一方で、コロナ禍でのビジネスチャンスを模索し、新たな研究開発にも取り組みました。なかでも「3Dカメラを活用したソーシャルディスタンスの評価及び可視化システム」は「会津産IT技術認定」(会津若松市)大賞や「第11回地域再生大賞」(地方新聞各紙・共同通信社)優秀賞を受賞するなど高い評価を受けました。

現在の状況

再生可能エネルギーの
マネジメントと海外連携

福島県の再生可能エネルギー関連の補助金を新たに取得し、実用化に向けた取り組みを開始しました。これは「エネルギーマネジメント向け学習・推論に特化した AI チップの研究開発」を主軸にした事業で、AIチップによってより柔軟な設備の全体制御を可能にし、再生可能エネルギーの効率的な利用によって福島復興の後押しをより一層強化していきます。また、この技術を使い、太陽光で得た電力だけで冷凍食品の自動販売機を運用を始めます(画像)。また福島県が連携協定を結ぶドイツ・ノルトラインヴェストファーレン州の企業と積極的に連携活動を行い、国際的な事業展開を目論んでいます。

創業してよかったこと・今後の目標

起業は周囲のみんなを
幸せにする

起業は自身の経験・技術・知識を社会の役に立てることです。その結果、会社が収益を上げ国に税金を納める。自らの努力で周囲に良い連鎖を生み出し、みんなを幸せにするのが起業だと考えています。現在は創業時に予定していた当初の研究開発を進めつつ、関連して広がったテーマについても幅広く事業化に向けた取り組みを進めています。國井先生が思い描いた「会津にシリコンバレーを作る」また、地域の願いでもある「会津から上場企業を」をという夢。自らがそれらを実現すべく、最先端技術を活用し、会津大学との共同研究を進めながら、世の為、人の為、地球の為の活動を精一杯進めて行きたいと思います。

取材・撮影場所:会津大学先端ICTラボ(LICTiA)

※記事の内容は取材当時のものです