スタートアップ・起業支援

理解を助け行動を生むデザインで情報発信を伴走支援

お話ししてくれた方:橋本 凌真さん(代表取締役/会津大学 大学院在籍中)

会社名 e-Family合同会社
代表者 橋本 凌真
業種 Webサイト制作・Webマーケティング
事業概要 マーケティング理論に基づくサイト設計メソッドと、視認性・可読性・訴求力を高めるデザイン原則を掛け合わせたWebサイト・採用サイト制作を提供
設立 2025年4月
所在地 福島県会津若松市
企業サイト https://efamily.co.jp/
UBICの支援
会津大学発ベンチャーの称号付与
UBICプロジェクトルーム(研究開発室)の利用
先端ICTラボのプロジェクトルームの利用
先端ICTラボのリソースの利用
会津大学の住所を法人登記の住所として利用
起業相談
特許相談
その他

創業のきっかけ

デザインは「装飾」ではない
理解を助け、行動を変える力がある

私が起業を考えるようになった背景には、学部生時代に友人と立ち上げた「株式会社inf.」での経験があります。ここで私は高校生向けに教材やスライドなどの制作を担当していました。ただ見た目を整えるのではなく、「どうすれば内容が正しく、無理なく理解されるか」を意識しながら、情報の整理や構成に力を入れました。
印象に残っているのは、表現を工夫したことで生徒の反応がはっきりと変わったことです。それまで理解が進まなかった内容が、視覚的に整理することで直感的に受け取られるようになる。すると、学ぶ姿勢にも楽しさが見られるようになりました。デザインは単なる装飾ではない。理解を助け、行動を変える力がある。そんな実感が得られました。
デザインの面白さと可能性に魅了された私は、学部卒業を機に「自分自身の挑戦をしたい」と起業を考えるようになりました。周囲に学生起業家や地域の経営者の方が多くいたことも後押しになりました。そして皆さんの多くが抱えているのが情報発信やデザインに関するお悩みでした。「自分の力で役に立ちたい」「デザインを通じて貢献したい」。そんな思いでWebサイト制作の分野で起業することを決意しました。

創業時に工夫したこと、大変だったこと

書類準備に忙殺された
スタートアップの第一歩

2025年4月に「e-Family合同会社」を設立し、私自身は本学大学院の修士課程を休学し事業に専念しています。起業してまず直面したのは、事業そのもの以前に必要となる多くの実務でした。会社の設立手続き自体は行政書士に代行を依頼していましたが、設立後に発生する各種届出や申請も多く、それについては自分で対応しなければならず、書類準備など大きな負担を感じました。
インターネットで情報を調べながら、すべての手続きが完了するまでに約1カ月ほどかかりました。事前に本やセミナーなどで知見を得ていれば、もっとスムーズに進められたのかもしれません。事前に下調べをしておくことの重要性を実感しました。
また、起業にあたりUBICの支援を受けましたが、学生起業家に限らず、さまざまな企業と自然につながれる環境が整っていたことは大変ありがたかったです。新たな視点や刺激を得る機会も多く、企業同士が協力し合える関係を築きやすい点はUBICならではの大きな強みだと感じています。
「e-Family」の事業自体は、まだ「仕組み作り」の段階だと考えています。事業を無理なく継続させるには、過度な負担がメンバーに掛からないようにしなければなりません。そのための仕組みを構築しています。

現在の状況

顧客と伴走することで
効果の上がるデザインを実現

現在のメインの事業は、会津大学発ベンチャー顧客を中心としたWebサイト制作や資料デザインです。具体的にはWebサイト制作やサービスサイト・ランディングページ(LP)制作、営業資料やサービス紹介資料、マニュアル資料のデザインなどとなります。
Webサイト制作ではマーケティング理論とデザイン原則に基づいたサイト設計を行っています。見た目の美しさだけでなく、内容がしっかり伝わり、行動につながりやすいデザインを意識して制作しています。
制作においてはノーコードツールを活用することで、制作・修正にかかる負担を軽減。その分、構成や情報の整理、導線設計といった部分に注力しています。

資料デザインについては、内容が固まっていない初期の段階からご相談いただくことも少なくありません。その場合はヒアリングを通じて事業やサービスの強み、他社との違いを整理するところから一緒に進めます。必要に応じて簡単な市場調査も行うこともありますね。
ただ漠然と制作物を作るのではなく、事業理解から顧客と伴走することで、より理解されやすく、営業効果の上がる資料作りを心掛けています。

創業してよかったこと・今後の目標

伴走型の支援を続けつつ
「社会」に自分を置いてみたい

起業してよかったと感じるのは、事業者の方が大切にしている「想い」や「夢」、「熱量」が詰まったサービスやプロダクトを、必要な人に届けるための支援ができる点です。サービスやプロダクトの内容に価値があっても、伝え方が整っていなければ、その良さが十分に伝わらないケースは多々あります。そうした課題に対して、デザインの力で関われることに大きなやりがいを感じています。
今後はベンチャー企業や中小企業、スタートアップの方々に特化し、より多くの事業者を支援していきたいと考えています。正当に評価されるべきサービスやプロダクトが、情報発信の工夫でより多くの人に届くようにしていきたい。そのために、Webサイト制作や資料デザインを通じた伴走型の支援を今後も数多く続けていくつもりです。
私個人としては今の事業を続けながら、卒業後は一般企業に就職して実社会を一度経験してみたいと思っています。学生の時には見えていなかった部分が実社会にはきっとあるはずで、そこでの経験は起業家としての自分に絶対プラスになるはずです。自分がここからどれだけ成長できるか。挑戦してみたい気持ちで一杯です。

取材・撮影場所:会津大学産学イノベーションセンター(UBIC)・会津大学 学生ホール・図書館

※記事の内容は取材当時のものです