理解を助け行動を生むデザインで情報発信を伴走支援

お話ししてくれた方:橋本 凌真さん(代表取締役/会津大学 大学院在籍中)
| 会社名 | e-Family合同会社 |
|---|---|
| 代表者 | 橋本 凌真 |
| 業種 | Webサイト制作・Webマーケティング |
| 事業概要 | マーケティング理論に基づくサイト設計メソッドと、視認性・可読性・訴求力を高めるデザイン原則を掛け合わせたWebサイト・採用サイト制作を提供 |
| 設立 | 2025年4月 |
| 所在地 | 福島県会津若松市 |
| 企業サイト | https://efamily.co.jp/ |
創業のきっかけ
デザインは「装飾」ではない
理解を助け、行動を変える力がある

私が起業を考えるようになった背景には、学部生時代に友人と立ち上げた「株式会社inf.」での経験があります。ここで私は高校生向けに教材やスライドなどの制作を担当していました。ただ見た目を整えるのではなく、「どうすれば内容が正しく、無理なく理解されるか」を意識しながら、情報の整理や構成に力を入れました。
印象に残っているのは、表現を工夫したことで生徒の反応がはっきりと変わったことです。それまで理解が進まなかった内容が、視覚的に整理することで直感的に受け取られるようになる。すると、学ぶ姿勢にも楽しさが見られるようになりました。デザインは単なる装飾ではない。理解を助け、行動を変える力がある。そんな実感が得られました。
デザインの面白さと可能性に魅了された私は、学部卒業を機に「自分自身の挑戦をしたい」と起業を考えるようになりました。周囲に学生起業家や地域の経営者の方が多くいたことも後押しになりました。そして皆さんの多くが抱えているのが情報発信やデザインに関するお悩みでした。「自分の力で役に立ちたい」「デザインを通じて貢献したい」。そんな思いでWebサイト制作の分野で起業することを決意しました。
創業時に工夫したこと、大変だったこと

書類準備に忙殺された
スタートアップの第一歩
2025年4月に「e-Family合同会社」を設立し、私自身は本学大学院の修士課程を休学し事業に専念しています。起業してまず直面したのは、事業そのもの以前に必要となる多くの実務でした。会社の設立手続き自体は行政書士に代行を依頼していましたが、設立後に発生する各種届出や申請も多く、それについては自分で対応しなければならず、書類準備など大きな負担を感じました。
インターネットで情報を調べながら、すべての手続きが完了するまでに約1カ月ほどかかりました。事前に本やセミナーなどで知見を得ていれば、もっとスムーズに進められたのかもしれません。事前に下調べをしておくことの重要性を実感しました。
また、起業にあたりUBICの支援を受けましたが、学生起業家に限らず、さまざまな企業と自然につながれる環境が整っていたことは大変ありがたかったです。新たな視点や刺激を得る機会も多く、企業同士が協力し合える関係を築きやすい点はUBICならではの大きな強みだと感じています。
「e-Family」の事業自体は、まだ「仕組み作り」の段階だと考えています。事業を無理なく継続させるには、過度な負担がメンバーに掛からないようにしなければなりません。そのための仕組みを構築しています。
現在の状況
顧客と伴走することで
効果の上がるデザインを実現

現在のメインの事業は、会津大学発ベンチャー顧客を中心としたWebサイト制作や資料デザインです。具体的にはWebサイト制作やサービスサイト・ランディングページ(LP)制作、営業資料やサービス紹介資料、マニュアル資料のデザインなどとなります。
Webサイト制作ではマーケティング理論とデザイン原則に基づいたサイト設計を行っています。見た目の美しさだけでなく、内容がしっかり伝わり、行動につながりやすいデザインを意識して制作しています。
制作においてはノーコードツールを活用することで、制作・修正にかかる負担を軽減。その分、構成や情報の整理、導線設計といった部分に注力しています。
資料デザインについては、内容が固まっていない初期の段階からご相談いただくことも少なくありません。その場合はヒアリングを通じて事業やサービスの強み、他社との違いを整理するところから一緒に進めます。必要に応じて簡単な市場調査も行うこともありますね。
ただ漠然と制作物を作るのではなく、事業理解から顧客と伴走することで、より理解されやすく、営業効果の上がる資料作りを心掛けています。
創業してよかったこと・今後の目標

伴走型の支援を続けつつ
「社会」に自分を置いてみたい
起業してよかったと感じるのは、事業者の方が大切にしている「想い」や「夢」、「熱量」が詰まったサービスやプロダクトを、必要な人に届けるための支援ができる点です。サービスやプロダクトの内容に価値があっても、伝え方が整っていなければ、その良さが十分に伝わらないケースは多々あります。そうした課題に対して、デザインの力で関われることに大きなやりがいを感じています。
今後はベンチャー企業や中小企業、スタートアップの方々に特化し、より多くの事業者を支援していきたいと考えています。正当に評価されるべきサービスやプロダクトが、情報発信の工夫でより多くの人に届くようにしていきたい。そのために、Webサイト制作や資料デザインを通じた伴走型の支援を今後も数多く続けていくつもりです。
私個人としては今の事業を続けながら、卒業後は一般企業に就職して実社会を一度経験してみたいと思っています。学生の時には見えていなかった部分が実社会にはきっとあるはずで、そこでの経験は起業家としての自分に絶対プラスになるはずです。自分がここからどれだけ成長できるか。挑戦してみたい気持ちで一杯です。
取材・撮影場所:会津大学産学イノベーションセンター(UBIC)・会津大学 学生ホール・図書館
※記事の内容は取材当時のものです
起業の経験と人との出会いを力にAIで世界へ

お話ししてくれた方:藤松 勇滉さん(代表取締役/会津大学在学中)
| 会社名 | 甘党AI株式会社 |
|---|---|
| 代表者 | 藤松 勇滉 |
| 業種 | IT/ソフトウェア |
| 事業概要 | 開発者向けAIソフトウェアの開発・提供 企業向けAI関連プロジェクトの推進 |
| 設立 | 2025年4月 |
| 所在地 | 福島県会津若松市 |
| 企業サイト | https://amatoai.co.jp/ |
創業のきっかけ
社会に直接関わることで
人を幸せにしたい

私が起業を志した背景には、高校時代の経験があります。それまで当然続くと思っていた時間が実は確実ではなく「人生は有限である」という気づきが、自分の将来を考え直すきっかけになりました。
自分にとって本当に大切なものは何なのか。私はまず、家族や友人など身近な人を幸せにしたい。さらにその思いを広げていけば、きっと社会全体への貢献にもつながるはず。企業に就職すると、社会のためというより、その会社のために働くという印象を持っていました。もちろんその先に社会があるのは理解できます。しかし、私は、自ら意思決定を行って社会に直接価値を届けられるスタートアップにより強い関心を持つようになったのです。
その後、少人数のスタートアップにエンジニアとして約6カ月間参加しました。そこで出会ったCEOの働き方に強いインパクトを受けました。自らプロジェクトを推進しながら、その巻き込み力や実行力でグローバルに事業を進展していく。まだ規模の小さい組織であっても、明確なビジョンがあれば人は集まり、事業は前に進む。CEOの姿を見て自分もそうありたいと思い起業を決意し、2025年4月末に「甘党AI株式会社」を設立しました。
創業時に工夫したこと、大変だったこと

ソフトそのものの価値で勝負する
自社プロダクトを事業の柱に
「甘党AI」は、クライアント事業とAIプロダクト事業の二本柱の会社です。クライアント事業では、開発するソフトウェアがお客様にとって長期的な資産となるよう、オンサイト支援を含め業務に深く入り込みつつ、提案から開発・提供までを一貫して行っています。
AIプロダクト事業では、世界中で日常的に使われるソフトウェアを目指し、自社プロダクトの開発を進めています。受託型ではなく自社プロダクトで収益を生み出すスタイルをとったのは、時間単価で働くのではなく、ソフトウェアそのものの価値で評価される事業をつくりたかったからです。成功すれば大きい一方、収益が安定するまで時間がかかる可能性もあり、個人的にはかなり挑戦的な選択でした。
ただAI技術が急速に進化している時期でもあり、この変化を的確に捉えて高速に開発を進めることができれば、世界市場でも戦える可能性があると感じていました。そのため、少人数体制で意思決定を速く行い、開発そのものにもAIを積極的に活用することで、一人あたりの生産性を高める方針を取りました。
UBICの支援も大きな後押しになっています。石橋先生をはじめ、さまざまな方に相談に乗ってもらえるというのはすごくありがたかったです。加えて、オフィスを登記住所として利用できたことも、実務面でとても助かりました。
現在の状況
世界市場を視野に入れながら
新たな提案の好循環を構築

現在当社は、大きく二つのプロダクトを展開しています。一つは開発者向けの管理アプリ「MCPルーター」です。AIが外部サービスを呼び出す際に利用されるMCPというプロトコルを管理するアプリケーションです。現在、アクティブユーザーが毎週1,800名以上おり、その約7割が海外ユーザーです。中国、米国、香港などからの利用が中心で、すでに国境を越えた利用が進んでいます。
もう一つは音声データからノイズ除去や話者分離を行い、アノテーションする「ROKA BOX」というものです。これは機械学習などに利用可能な音声データを提供し、音声の活用可能性を広げる試みで、継続的に開発を進めています。
その他にも法人向けサービスの提供を行っており、AIモデルやアプリケーションの開発に取り組んでいます。
会津大学発ベンチャーの称号を付与いただいたり、UBICという拠点を活用しながら開発を続けられることは、地方に拠点を置きながらも世界市場を目指すうえで大きな意味を持っています。今後も継続的にアップデートを行い、グローバル市場で得た知見をクライアントへの新たな提案に活かす好循環を続けていきたいですね。
創業してよかったこと・今後の目標

人とのつながりを大切に
世界に通用する製品を
起業してよかったと感じるのは、人とのつながりが広がったことです。私の人生の中で、人とのつながりは大事なパートを占めています。起業していなければ関わることのなかった人や場に出会う機会が増えました。
お客様、チーム、取引先はもちろん、イベントへの参加もそうですし、懇親の席でのつながりも大事にしていきたい。つながり方はさまざまであっても、私の人生において全てが掛け替えのないものであり、その意味で起業したことで自分の人生が確実に豊かになったと感じています。
事業として売上を立てることはもちろん大切ですが、個人的にはその過程で得られる経験や出会いに今は価値を感じています。
今後の目標は、少数の技術者集団で世界に通用するソフトウェアを生み出すことです。そのためには、マーケティングの強化と同時に、変化の激しいAI技術環境に適応し続ける開発力が求められます。スピーディな開発と継続的な改善を積み重ね、利用者を着実に増やしていきたいですね。
取材・撮影場所:会津大学 研究棟
※記事の内容は取材当時のものです
飲食店のデジタル集客を支援するAIサービスで全国へ

お話ししてくれた方:山下 裕也さん(代表取締役/会津大学 大学院在学中)
| 会社名 | 株式会社Pignet |
|---|---|
| 代表者 | 山下 裕也 |
| 業種 | 飲食店向けサービス業 |
| 事業概要 | 飲食店向け集客サービスの提供など AIを活用したSNS(Instagram、X)およびGoogleビジネスプロフィールへの投稿の自動作成・一括投稿サービス |
| 設立 | 2024年9月 |
| 所在地 | 福島県会津若松市 |
| 企業サイト | https://pignet.jp |
創業のきっかけ
飲食店の集客を支援する
新たなサービスの提供を

私は元々、おいしいものを食べ歩くことが好きで、さまざまな飲食店に足を運んでいます。そこで感じたのが、多くのお店にとってユーザーが来店するきっかけとなっているデジタル集客を使いこなせず、集客に課題を抱えているということでした。具体的には、Googleビジネスプロフィールや各種SNSといったデジタルツールを活用できていない状況です。お店に聞いてみると「お店の運営が手一杯で更新の時間がない」「そもそも何を投稿すればいいかわからない」という声が多く聞かれました。
そこで飲食店が手軽にデジタルツールを活用し集客できるツール「Pignet(ピグネット)」を開発しました。これは多くの方が使える「LINE」を使いキーワードや写真を設定するだけで、Googleビジネスプロフィール、Instagram、X(旧Twitter)の3つのプラットフォーム向けに最適化された投稿をAIで自動生成し、一括投稿できるツールです。この取り組みは経済産業省の「アオタケプロジェクト」に採択され、専門家の助言を受けながらより実用的な形に進化させ、本格的にサービス展開することとなりました。
※アオタケプロジェクトについて
https://aizu-startups-foundation.com/aotake/top/
創業時に工夫したこと、大変だったこと

業務分担と時間管理の明確化で
学業と起業の両立を実現
私自身、家業が自営業だったこともあり大学在学中に起業を意識し、地域ベンチャー創生支援財団の創業支援会起業を考えて関連団体に参加をしていました。そして「アオタケプロジェクト」に採択されたことが起業の決定的なきっかけとなりました。
実際に起業してみて大変だったのは、学業と事業の両立でした。授業や論文作成と並行しながらリサーチ、開発、営業活動を状況に応じて行わなくてはなりません。性質の異なる複数のタスクをうまく回すために、スケジュール管理を徹底し、やるべきことを明確化することで対応しました。また、業務を抱え込まず、仲間のエンジニアに委託して運営体制を整えたことで、開発・運営の効率が向上しました。
事業を行う体制を整えながら、飲食店オーナーとの対話を重ねて現場の課題を理解し、サービスの実用性も高めました。その結果「これは便利だ!」という声をいただき、導入店舗も増加しました。事業の成長とともに業務分担や時間管理、意思決定の難しさもどんどん増しましたが、優先順位を明確にして業務の委譲を進めることで乗り越えました。
現在の状況
代理店制度の導入による
サービスの全国展開

AIを活用した飲食店向けSNS投稿支援ツール「Pignet」は、LINEで画像と簡単な説明を送るだけで投稿内容を自動生成・一括投稿できる操作の簡単さとその集客効果で高評価をいただいています。試験運用で協力いただいた店舗では、SNSのインプレッション数が平均235%アップしたり、Googleビジネスプロフィールのインタラクション数が175%アップしたケースも。忙しい飲食店にとっては、「投稿にかける時間を削減しながら、結果的に集客効果を高められる」 という点が大きな魅力になっていると感じます。
おかげさまで、地域の商工会や他県の飲食店からも導入に関する問い合わせが増えている中、代理店制度の導入により契約件数がますます伸びています。販売パートナーを活用した営業で、これまで届かなかった店舗にも導入が進み、サービスの認知度が向上しました。最初は自分で営業をしていたのですが限界を感じ、飲食店向けのSNS運用を行う企業と提携したのです。また、AIによる投稿の自動生成の向上と定期的な更新によって、検索結果の上位表示を実現する仕組みを構築。カスタマーサポートの強化にも力を入れ、利用者の声を反映したアップデートを継続的に行っています。
創業してよかったこと・今後の目標

会津で起業し得た学びを
次世代へ繋げていきたい
起業して最も感じたのは、行動が新たなチャンスを生むということです。サービスの展開を通じて飲食店経営者や起業家とのつながりが増え、事業の可能性が広がりました。また、多くの飲食店の方々から「Pignetがあって助かる!」という声をいただき、行っている事業の価値も実感しました。さらに、開発だけでなく、営業やマーケティング、人材採用など、会社を動かすあらゆるプロセスに関われますし、その中で自分自身も成長している実感があります。
今後は「Pignet」の契約店舗数の拡大に加え、チェーン店などの大企業向けの新サービス開発にも取り組みます。同時に、会津大学から起業文化をもっと広め、地元での活躍の場を増やしたいと考えています。会津大学では優秀なエンジニアが育つものの、多くが東京へ流出してしまうのが現状です。だからこそ地元でも成長できる環境を整え、新たな選択肢を提供したい。一つひとつの取り組みが積み重なれば、挑戦の機会が生まれ、起業文化が根付き、会津大生の活躍の場が広がっていくはずです。
取材・撮影場所:会津大学産学イノベーションセンター(UBIC)・会津大学 学生食堂
※記事の内容は取材当時のものです
人の力をもっと発揮できる環境をAIで実現

お話ししてくれた方:能勢 航羽さん(代表取締役/会津大学在学中)
| 会社名 | 株式会社StoD |
|---|---|
| 代表者 | 能勢 航羽 |
| 業種 | IT |
| 事業概要 | 企業のDX化・業務効率化を目指し、AI技術に特化したサービスの提供・システムの受託開発など |
| 設立 | 2024年4月 |
| 所在地 | 福島県会津若松市 |
| 企業サイト | https://matchstod.com |
創業のきっかけ
「起業」による新しい経験が
自分を育てる糧になる

私は小中学校時代に海外ホームステイを体験し、「それまでにない新しい経験が自分自身を大きく育てる」ということを実感しました。そこで、毎日新たな経験・体験ができるであろう、起業家への憧れを高めました。
会津大学ではプログラミングを学び、2年生時点でフリーランスエンジニアとしての活動を開始。ITの力で社会に貢献する方法を模索する中で、企業の「ルーチンワークが社員の成長を妨げている=新しい経験・体験の機会を減らしているのではないか」と感じてAIを活用した業務効率化の可能性に着目しました。業務の一部を自動化すれば、その分、社員が創造的な仕事に集中できる環境が作れるのではないかと考えたのです。「人の持っている力・スキルをもっと活かせる場を生み出したい」こうした思いから「StoD」の事業が生まれました。
この時期に起業を決意したのは、会津大学の「起業支援制度」を活用できるタイミングだったことも大きな理由です。
※会津大学の「起業支援制度」について https://www.ubic-u-aizu.jp/incubation/support.html
創業時に工夫したこと、大変だったこと

失敗から「気づき」を得た
顧客の声を聞く大切さ
「StoD」を立ち上げた当初、最大の課題は市場のニーズとのギャップでした。最初に開発したアプリは、私たちが想定していた課題を解決するものでしたが、実際の企業ニーズとは合致せず、思うように売れませんでした。その原因は、ニーズや課題の検証・ヒアリングが足りないままアプリの開発を行い、自分のアイデアを具現化するだけのアウトプットになってしまったことにあると考えています。この経験を通じて、顧客の声を直接聞いて本当に求められるサービスを提供することの重要性を学びました。
現在展開している「特注AI」は企業がAIを簡単に導入できるようにするため、30社以上にヒアリングを行ってニーズを徹底的に分析し開発したものです。また、会津大学の支援を受けながら専門家の助言を取り入れ、戦略を見直しました。営業活動でも企業と直接対話し、具体的な課題を把握しながらサービスの改善を進めています。市場の声を反映し、実際の運用環境に適した調整を重ねることで、より実用的なビジネスモデルを確立しました。
現在の状況
「特注AI」を入り口に
企業のIT化とAI化を促進

「特注AI」は企業の業務内容に応じたAIのテンプレートを用意し、それぞれのニーズに合わせてカスタマイズが可能なサービスです。AI導入のハードルを下げ、誰でも使いやすいシステムの提供を目指しており、まずは、企業によくありがちな課題に関する簡単な質問に答えてもらうところからスタートします。
多くの企業がAI活用の方法を模索している現在、まずはシンプルなツールで業務のIT化・AI化を促進することが重要だと考えています。同時に、私自身も地方の経営者コミュニティに参加し、企業の課題を把握しながら提案を繰り返しています。会津大学のネットワークも活用しながら、より役立つサービスになるよう努めています。
現在、私の他に3名のメンバーが「特注AI」の発展を支えてくれています。それぞれすごいところをもったメンバーなので心強いですね!全員が会津大学在学中ということもあり、学業と起業の両立はハードですが、週に1回は全員集まってミーティングをするなど、コミュニケーションは欠かせません。
創業してよかったこと・今後の目標

広がった視野とネットワークが
未来のビジネスに繋がる
「特注AI」を実際に利用した方々からは「AI・ITを用いて業務効率化を始める第一歩になった」と、うれしい言葉をもらっています。引き続き、パートナー企業と協力し、より多くの業界で活用できるサービスへと発展させていきます。
起業を通じて私が最も実感したのは、学びと成長の機会が格段に増えたということです。自分のアイデアが形になり、実際に企業に導入されることで、課題解決に貢献できる喜びを感じています。経営を通じて視野が広がり、多くの人とのつながりも生まれました。今後はより多くの企業にサービスを提供し、AI導入のハードルを下げながら、業務の効率化を支援していきたいですね。技術の進化とともに生まれる新たな課題にも対応して、企業の成長を支える事業を展開していきたい。最終的には「上場」が目標ですが、あくまで一つの節目にすぎません。その先も仲間とともに挑戦を続け、企業や社会に貢献するビジネスを展開していきたいです。
取材・撮影場所:会津大学産学イノベーションセンター(UBIC)・会津大学研究棟
※記事の内容は取材当時のものです
情報教育を通じてすべての人に無限の選択肢を
お話ししてくれた方:石川 達也さん(代表取締役/会津大学在学中)
| 会社名 | 株式会社inf. |
|---|---|
| 代表者 | 石川 達也 |
| 業種 | 教育 |
| 事業概要 | 学校現場などへの出前授業(情報Ⅰ・プログラミング等)、教材開発、オンライン学習塾の運営、クリエイティブ作成(ホームページ・チラシ等) |
| 設立 | 2023年3月 |
| 所在地 | 福島県会津若松市 |
| 企業サイト |
https://inf-juku.com/ |
創業のきっかけ
情報の力で
未来を切り拓く
私は、地域ベンチャー創成支援財団・会津大学が共同で開催している創業関連の「座談会」を通して仲間と出会い、そこから事業を始めました。親族が起業していて、「やりたいことがあるなら若いうちからやるべき」と言われて育ってきました。「やりたいこと・やるべきこと」は常に更新されるものです。 人間は、自分の知っている範囲の情報からしか選択できません。そのため、知ること・学ぶことは私たちの選択できる幅を広げ、選択肢を増やしてくれます。私たちが情報教育事業を始めたのは、情報教育で培われる「情報活用能力」が主体的な選択に大きな役割を持つと考えたためです。情報活用能力によって自分の世界を拡張し、選択肢を増やすことで、興味関心をもとにした主体的な選択が可能になると考えました。「都市と地方の情報格差を解消」し「情報社会を安全かつ上手く渡り、自分の世界を広げて自由に選択し、主体的に生きることのできる社会」が実現したら素敵じゃないですか。会津大学在学中の起業は「自分たちが成長できる場・学びの場」を求めた結果です。
創業時に工夫したこと、大変だったこと
学業との両立、
組織運営の難しさを実感
起業のタイミングとしては学生時代の今が一番失うものが少ない時期だと思います。私たちの事業は自分たちと友人たちの協力で成り立っており、従業員を雇っているわけでも、養うべき家族がいるわけでもありません。ただ、大学の授業との時間的な両立は大変でしたね。自分のすべてのリソースを事業、もしくは学業に集中できないもどかしさを感じながら活動していた時期もありました。また、社会経験がなく起業したので、組織運営や連絡、業務の進め方、バックオフィス、手続きなど全てが手探り状態でした。チームビルディングに関しては協力メンバーのモチベーションを保つという部分で苦労しました。
現在の状況
壁に当たるも
教材のデザインが評価され
2022年度から全国の高校で「情報Ⅰ」という科目が加わったことなどが追い風となり、福島県内の高校や中学などでの出前授業や教材作成、オンライン学習塾を行っています。そんななかで、ある団体から高校生向け教材開発の協力依頼があって参加することになりました。教材は対話型で学べ、イラストを多く取り入れました。高校への導入を目指したのですが、大手企業の参入などもあり採用されませんでした。しかし、私たちが作った教材のデザインは高く評価され、現在は高校向け教材(ワークブック)などのデザイン業務のほか、各種クリエイティブ(ホームページ・チラシなど)の制作を受けています。
創業してよかったこと・今後の目標
すべての経験を
自分たちの成長の糧に
起業することで大学生活では出会うことのない方と知り合い、お話しすることができました。いろいろな方の多彩な考えに触れた経験は間違いなく自分たちの成長につながっていると思います。これからスタートアップ企業やベンチャー企業にインターンとして入り、異なるビジネスの現場を経験する予定です。そうした経験を通じて、おそらく自分たちの事業も変化するでしょう。先にも触れたように、この会社は自分たちが学ぶための場でもあります。「やりたいこと・やるべきこと」を更新しながら、自分たちも成長し続けていきたいと思っています。
取材・撮影場所:会津大学産学イノベーションセンター(UBIC)・コミュニティスペース
※記事の内容は取材当時のものです
みんなが楽しく生きていける心の健康づくりを
お話ししてくれた方:橋本 志穂実さん(CEO)
| 会社名 | 株式会社ブランチズム |
|---|---|
| 代表者 | 橋本 志穂実 |
| 業種 | システム開発 |
| 事業概要 | アプリ開発・運営/Web開発・開発支援/イベント運営/コミュニティ運営など。「境のない世界の実現」がビジョン。 |
| 設立 | 2021年12月 |
| 所在地 | 福島県会津若松市 |
| 企業サイト |
https://branchism.com |
創業のきっかけ
心の健康に
役立つ技術を形に
学部ではヘルステックの分野を研究してきました。健康百年時代を目指す取り組みはたくさんありますが、私は心の健康を百年まで延ばすことを目指しています。私自身、コロナ禍で社会から離れた時期に、心身に不調をきたす経験をしました。そんなとき、人と関わる機会があったことで自分のリズムが戻るのを感じました。決まった時間に誰かと挨拶をする、などといったささいなコミュニケーションで日常に変化がありました。社会や人とのつながりの大切さを痛感したことは、学生に向けたローカルアプリ「Splannt(スプラント)」開発するきっかけになりました。
※現在はサービスの提供を停止しています
創業時に工夫したこと、大変だったこと
足りないことだらけ、
でも実現したいビジョンはある
「Splannt(スプラント)」は友達や知り合いに好評で、企業で働く方々から事業にすることを勧められたのが起業のきっかけです。社名の「ブランチズム」とは「枝わかれ主義」のこと。枝分かれのように色々なサービスを展開していきたいという思いで名付けました。いざ動き出してみると、資金不足・経験不足・人脈不足は明らかでした。プロダクトは多く作ってきましたが、それをユーザーに届けてお金に変えることが難しいと感じました。そこで「私たちは若者のメンタルヘルス問題を解決したいです」と、自分たちのビジョンや想いを武器にしてあちこち回りました。結果、やりたいのは「人と人をつなぐこと」だと再認識し、「自分の方法で少しずつでもいいからやろう」と考えました。
現在の状況
アジャイル型の開発で
チーム力が向上
現在はスタートアップ企業向けのシステム開発をメインに行っています。お客様と一緒に設計するところから始まり、そのまま並走してアジャイル型で開発を進めています。自分たちもスタートアップであることと、これまでのプロダクト開発経験を活かし、とことんお客様とぶつかって改善を重ねることを心掛けています。それによってチームの技術力や経験値が向上し、プロダクトにも活かせているので良いバランスが保たれていると思います。時間やお金などスタートアップならではの制限も、よりプロダクトに磨きをかける糧になっていると考えています。また、システム開発以外にも、JR会津若松駅近くに「creative cafe REQUEST」というITカフェをオープンするなど、自分たちのビジョンを元に事業の幅を広げています。
創業してよかったこと・今後の目標
事業と学問、
多彩な経験を生かしていきたい
これまでを振り返ってみると、起業してから半年に1つは新しいサービスを出してきました。自分たちのビジョンと技術力を生かしてサービスを作る過程では、いろいろな課題をクリアしていく必要があります。それら1つひとつの経験が、次のサービスに生かされている実感がありますね。私たちの活動は「心の健康」や「みんなが楽しく生きていく」というところではすべて共通していると思います。今後、私は博士課程への進学を考えています。アカデミックな分野とプロダクトを関わらせて、その経験を事業にも生かしてみたいと考えています。
取材・撮影場所:会津大学先端ICTラボ(LICTiA)・会津大学研究棟
※記事の内容は取材当時のものです
明確な価格体系で地域の方々にWebサイトを提供
お話ししてくれた方:野口 雄介さん(代表取締役)
| 会社名 | 株式会社スタンダード |
|---|---|
| 代表者 | 野口 雄介 |
| 業種 | Webサイト制作 |
| 事業概要 | Webサイトの制作・運用保守。「安く・早く・品質はしっかりと」がモットー。 |
| 設立 | 2008年4月 |
| 所在地 | 東京都千代田区(本社) |
| 企業サイト |
https://standard-co.jp/ https://www.fukushima-web.com/ |
創業のきっかけ
地域の方々の
お困りごとを解決したい
父方一族が事業を営んでいたこともあり、子どもの頃からいずれは独立することを考えていました。そのため、会津大学在学時から、先輩らが起業したベンチャーでシステム開発のアルバイトをしたり、また、当時の創業社長が所属する地域の経営者の集まりや経営に関する勉強会等にも積極的に参加していました。会津大学卒業後はSE(システムエンジニア)として横浜や都内で働いていましたが、アルバイト時代お世話になったベンチャーの社長からお声がけをいただき会津に戻り、改めて地元の企業と交流していくなかで、パソコンやインターネット、特にホームページに関してお困りの方が多いことに気付きました。その当時はホームページ制作の価格が分かりにくかったり、デザインや品質に難のあるサイトも多かったりしました。この課題を解決するために、まずは個人事業主として「低価格・高品質をコンセプトにしたホームページ専門の制作会社」を立ち上げました。大学時代から知り合いのお店のWebサイトを作成していた経験もあったので、この事業ならすぐにお役に立てるだろうと考えました。
創業時に工夫したこと、大変だったこと
信頼の獲得と
方針転換のジレンマ
当時の地方企業はインターネット関連の企業に対して懐疑的な見方をする方も多く、まずは信頼できる事業者だと思ってもらうところからのスタートでした。顧客を何度も訪問し、ときには利益度外視のサービスも提供。そうして認知度・信用度を積み上げていきました。その後、品質を維持しながら企業として利益を上げていくために「訪問せず、メールやネットでヒアリングし、制作を任せてもらう」というWebのみで完結する制作スタイルに転換しました。これは起業当初と真逆の方針だったので周知・徹底に苦労しました。そんななか、会津大学発ベンチャーの称号や、会津大学内(UBIC)に拠点があることは、お客様に信頼感や安心感を持っていただくのに非常に効果的でした。また、この方針は、その後のコロナ禍での対面が制限された時期にも、お客様に変わりなくサービスを提供する上で大きな効果を発揮しました。
現在の状況
価格とサービスの明確化で
地域に浸透
創業当時は主力サービスのWebサイト制作以外にも、ECサイトの制作保守やリスティング広告の企画・運用、Webマーケティング等、インターネット関連の相談を幅広く請けていました。しかし現在は事業の最適化・効率化のため、ホームページ制作に注力しています。地域に密着した「福島ウェブ」「仙台ウェブ」等を主力サービスとし、Webのみで完結する特徴を活かした全国向けの「まるごとおまかせHP制作パック」も展開しています。お陰様でこれまでに約600のサイトを作成し、2020年には東京オフィスを開設、法人登記することになりました。
創業してよかったこと・今後の目標
地方企業により
最適なソリューションを
私がこの仕事を始めた当初は、地方で信頼できるホームページ制作会社を見つけるのは簡単ではありませんでした。オーダーメイド制作が主流で、価格も不透明ななか、当社がWeb制作の価格を明示しひとつの指標を作れたことは意義があったと思います。しかし、まだまだホームページがない企業も多くありますし、各種SNS、ノーコードツール、生成AIなど、インターネットで情報を発信する手段・サービスが多様化・複雑化している状況もあります。今後も、低価格で高品質なホームページ制作を主軸にしながらも、地方企業にとって最適な、シンプルかつ効果的なソリューションを提供できるよう、サービスの改善をしていきたいと思っています。
取材・撮影場所:会津大学先端ICTラボ(LICTiA)
※記事の内容は取材当時のものです



