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JAVAアプレットとは、
 JAVAアプレットはJAVA言語で記述され、 ページのもとであるHTMLファイルにそれを呼 び込むための記述がなされ(ページ上にイメージ ファイルを呼び込む記述と代わりありません。)、 ページが開くと同時に実行されるプログラムです。 ページがそうであるように観る側のコンピュータ が異なっても、JAVAアプレット対応の同じレ ベルのブラウザソフトがあれば同じ動作で実行さ れるものです。
 現在、JAVA開発キットが容易に入手できま すし、比較的簡単にプログラミングできること、 その実行可能なことの幅広さなどから、特にイン トラネット内では、これまでの業務アプリケーシ ョンに代わる可能性のあるものとして注目されて います。
 また、入出力処理までを行なうアプレットであ っても、JAVAアプレットであることを意識す ることなく、ホームページ感覚で操作することが できるものですから、使う側の人間への負担はな いでしょう。

 JAVAアプレット以外にも、ページに容易に 動的な仕掛けを構じることのできるものはありま すが、以前のものの多くがブラウザソフトを補完 するヘルパーソフトと呼ばれるアプリケーション ソフトがブラウザソフトの他に必要で一般に使い 難かったことや、その作成がやや専門的であった こと、また、現在JAVAアプレットが注目され ていることなどから、このレポートではJAVA アプレットがイントラネット拡張の中心として扱 うことにします。
ネット内のメリット
 一部は繰り返しにもなりますが、企業内部がイ ントラネットであることのメリットをいくつかの 面からまとめてみます。
●共同体としてのデータベース構築
 企業とは大まかに言えば、特定の目的を共有す る共同体です。それがイントラネットでネットワ ークされていることは、インターネットが不特定 多数の集合体であることと大きく異なっていて、 そのネットワーク(イントラネット)の中心とな る利用意義が特定の目的のためにだけあると言え る点が重要なことです。
 それまでその部署内だけの情報だったものが、 イントラネットにより企業全体の情報となること によって、必要な情報が他部署でも容易に速やか に利用できるようになり、無駄な作業を減らすこ とができますし、同一の情報を共有することは部 署間の連携を格段にし易くすることにもなります。
 各自がその担当する情報ページの内容及び使い 易さに責任を持って提供し合えば、いつしか全体 として優秀なデータベースとして機能できるはず ですから、結果的に、企業全体として部署間の垣 根を越えたオープンな共同体としての有機的な活 動の実現さえ期待できますのではないでしょうか。
●システムとしてのメリット
<各コンピュータの利点を活かして>
 各自のコンピュータ(=端末)は特定の機種で ある必要が無いことはすでに紹介しましたが、つ まりは、UNIX、Macintosh、Win dowsのマシンなどが混在していても、ブラウ ザ上では同じ動作、操作が行なわれます。
 このことは、通常は、そこにインストールされ ているアプリケーションソフトを含めたそのコン ピュータが得意とする作業を行なうことができ、 必要な時には同じ動作環境でWWWサーバを通し た作業ができるということを意味しています。
<WWWサーバ側だけで更新>
 また、共通するデータや、業務アプリケーショ ンソフトに代わる処理用のプログラム(=JAV Aアプレット)などは基本的にはWWWサーバ側 に置かれるので、特に情報ページや処理プログラ ムの更新などはWWWサーバ側だけで行なえば良 いのです。さらにはWWWサーバ自体の更新にお いても、個々のコンピュータを意識する必要が有 りません。
 また、情報ページの追加や更新が個々のコンピ ュータから担当者の責任によって容易に随時行な うことができます。
<総てがネット上での作業に>
 もし、仮にほとんどの作業がWWWサーバを通 したブラウザ上で、JAVAアプレットなどを用 いて行なうことができるところ(分散オブジェク ト環境)まで達するとしたら、これまでのように 多くのアプリケーションソフトの習得、あるいは 異なるコンピュータの習得は、最小限で済むこと になります。特に新入社員や移動後の立ち上がり が格段に早くなるものと期待できます。
 イントラネットのシステムは、そこまでを目指 すことのできるものでもありますが、このレベル までの構築を目指すには、それまでの処理業務の 形態を根本的に見直す必要さえ出てくるかも知れ ませんので、充分な分析の上での有意義な見直し を心がけるべきであることは付け加えておきます。  単独のイントラネットにおいて、社員などが社 外から携帯型コンピュータで電話回線を使って、 直接に自社のイントラネットに接続して、社内と の情報のやりとりを行なうような機能を持たせる ことはできますが、そこまで含めた形態を一つの イントラネット網と見なすこともできますので、 以降の話をややこしくしないために、その形態及 びその利用については考慮しないで進めます。

イントラネットを外へ
 前項では、イントラネットの内部的なメリット を紹介しました。また、イントラネットはインタ ーネットによく似たものであると感じられたと思 いますが、決してインターネットに接続している ことが前提となるとは述べませんでした。イント ラネットとは、単一のネットワークの内側だけの 話ですから、外(隣のネットワークやインターネ ット)に接続している必要は無いものなのです。
 しかし、インターネットの仕組みを用いている ので、容易にインターネットに接続できますし、 イントラネット同士の接続も比較的容易です。 また、内部の情報ページはそのままインターネッ ト上で扱えるものであることも言うまでもありま せん。さらに、インターネットは世界的な情報通 信インフラ、あるいは経済市場に成長しています から、接続して利用する価値は多大でもあります。
 但し、インターネットに接続する際には、内部 に対するセキュリティ確保のためのファイヤウォ ール(防火壁)のことや、ネットワーク内のコン ピュータを認識するための個々のIPアドレスと 呼ばれるものが、インターネット上で通用する設 定にする必要があることには、注意して下さい。
●イントラネット同士の接続
 これまでのネットワークでは、他のネットワー クと新たに接続する場合、かなり難しく、またで きたとしてもかなりの費用がかかっていました。
 しかし、もう言うまでもなく、インターネット の技術で作られたものですから、イントラネット 同士の接続は、容易に安価に行なうことができま す。特に、事業所が離れているような企業では、 個々の事業所をイントラネット化し、それらを専 用線などで結ぶことによって、容易にWAN (Wide Area Network)化することができ、あ たかも一つのイントラネットとして情報共有や協 同作業が実現されます。
●インターネットを交しての接続
 また、同一企業グループ内のイントラネット同 士の接続でも、自前の専用線を設けずに、それぞ れがインターネットに接続して、そのインターネ ットを通して間接的にイントラネットを結びつけ ることもできます。機能する上でもそれほど違い が有りませんし、国内でもインターネット網はか なり広がっていますから、比較的安価に実現する ことができます。但し、部外者によるネットワー ク侵入に対するセキュリティ確保が必要にはなり ます。
 さらに、同一企業グループ以外で一時的あるい は一定期間の協力などにおいても、情報の共有や 協同作業は有効です。電子的商取引の一つである CALSなどがこの形態の代表です。
* CALS(Continuous Acquisition and Lifecycle Support): 製品のライフサイクル に関わる全情報(設計図面や部品データをはじめ、 製品の開発・製造から保守に至る全情報)を統合 データベース化して、複数の企業間での共有を目 的とする。     <次ページへ続く>
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